不適性検査スカウター(tracks.jp)という、内容が未知で問題点の多い適性検査が流行っています。
どのくらい流行っているのかといいますと、不適性検査スカウターはすでに32,000社以上の企業で導入!
一方で不適性検査スカウターの問題内容は、一般的な質問に加え、発達障害や精神障害を患う人を淘汰させるような内容です。
つまり……不適性検査スカウターが多くの企業に採用されているということは「本当の意味で『多様な働き方』からは程遠い」ともいえます。
本記事では、不適性検査スカウターの問題内容から問題点まで、実際に受検した僕の経験談を交えながら解説します。
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不適性検査スカウター(tracs.jp)3つの特徴
不適性検査スカウターは「人材採用で失敗しないための適性検査」として、2018年に株式会社スカウターから登場しました。
今から紹介する3つの特徴から、主に中小企業の新卒採用・経験者採用で活用されているようです。
- 価格が安い
- 性格検査が多い
- 検査結果がすぐに分かる
価格が安い
1つ目は「価格が安い」ことです。
不適性検査スカウターには4つの検査がありますが、4つとも利用しても応募者1人当たり1,944円(税込)です。
SPIが最低でも1人当たり4,000円はかかることから、不適性検査スカウターを利用することで、採用にかかるコストを抑えることができます。
「中小企業にも手の届く値段で、コスパがいい」との評判が見られました。
性格検査が多い
2つ目は「性格検査が多い」ことです。
性格検査が多いことは、不適性検査スカウターの1番の特徴ではないでしょうか。
SPIは、基礎能力検査が3種類、性格検査が1種類であることが多いです。
しかし、不適性検査スカウターは能力検査が1種類、性格検査が3種類と真逆!
「すぐ辞める人に多い傾向」と「豊富な性格診断」によって、会社や社会に適応できず退職してしまう可能性を少しでも減らしたい目的ゆえでしょう。
具体的には
- 能力検査(NR)
- 資質検査(SS)
- 精神分析(SB)
- 定着検査(TT)
の4種類となっており、企業によって
- NRとSS
- NRとSBとTT
- NR、SS、SB、TT全て
といったように使用する検査が異なります。
ただ、いずれの検査にも共通して言えるのは
- ストレス耐性
- 心身の体調管理
- 社会や職場への適応力
といった内容を測る質問項目であること。
また、SPIなど他の適性検査より「ウソをついているかどうか」を厳しめに判断されるのが、不適性検査スカウターの特徴。
例えば、仕事に関する価値観について
- 目的を持って作業や業務を進める
- 向上心がある
といった項目があったとしましょう。
実は、2つの意図は同じで「仕事への取り組み方」を聞いているんですね。
しかし、①を「はい」②を「いいえ」と答えると
この人はウソつき=不採用
と判定されてしまいます。
悲しい事態を防ぐためにも、一貫性を持って回答することを忘れないようにしましょう。
検査結果がすぐにわかる
3つ目が「検査結果がすぐにわかる」ことです。
不適性検査スカウターは、検査終了と同時に企業は結果を確認することができます。
一般的に、検査結果が企業に届くのは受検から1~2日後と言われているため、企業の採用担当から見ると
- 選考を進めやすい
- 応募者管理がしやすい
- 他社に優秀な人材を採られにくい
といったメリットがあります。
特に、中小企業の採用は時間勝負なのでありがたいとの声もありました。
【例題あり】不適性検査スカウター(tracs.jp)の対策本と問題内容
不適性検査スカウターを始めて見た人が気になるのは、対策本や問題内容ですよね。
この章では、対策本と問題内容について紹介します。
①:対策本は出てる?
2024年11月現在、不適性検査スカウター向けの問題集や対策本は出ていません。
そのため、就活生や転職活動をしている人は戸惑うでしょう。
対策本が出ていない背景はいろいろあると思いますが、1番は「学力検査以上に性格診断が多く、本では対策しづらい」ことでしょう。
とはいえ、何らかの対策をしておきたいもの。
そこで、かつて転職活動で「不適性検査スカウター」を受けたぼくが、経験談を交えながら解説しますので参考にしてください( ˘ω˘ )
②:能力検査(NR)について
まず、「能力検査(NR)」です。
能力検査(NR)はSPIの「言語」「非言語」にあたり、概要は以下の通りです。
- 試験時間:30分
- 試験形式:5選択式
- 問題数:30問
おおよそ「1問あたり1分」と覚えておきましょう。
ただし、非言語の計算問題は複雑で1分以上かかりました。
言語の問題でわからない場所に時間をかけないようにしましょう。
具体的には、以下のような内容が出題されます。
①言語(15問)
- 文法問題(類義語・対義語・慣用句など)
- 文章の並べ替え
- 単語の法則性
- 文章読解(論理的思考・4問)
②非言語(15問)
- 連立方程式
- 方角
- 暗号、数列などの規則性
- 場合の数、確率、集合
- 図表の読み取り
- 空間把握
能力検査(NR)は、SPIの言語・非言語の対策をしていれば、問題ありません。
ただ、暗算での計算は厳しいので、受験前に電卓や計算用紙を準備しておきましょう。
また、SPIになくて不適性検査スカウターにある問題は「空間把握」。
例えば「正方形に矢印がかかれていて、展開した時の図ではどのような向きか」を答える問題です。
紙を用意して、実際にその場で組み立てる方法も確かにあります。
しかし、空間把握は数問しかないうえに、時間不足で解ける問題を逃すのはもったいないです。
わからなければ、適当に答えて進みましょう。
「不適性検査スカウターはカメラを使った監視型のWebテストではないか」という噂もありますが、実際は違うとのことです。
不適性検査スカウターを使っている企業からの声がありましたので、ご参考までに。
当社でもこれを使っています。
引用元:Yahoo!知恵袋
監視型のwebテストではないです。
③:性格検査(SS)といきたいが……
次に性格検査ですが、ぼくは3つある性格検査の中で資質検査(SS)を受けました。
しかし、不適性検査スカウターの性格検査こそが、今回1番伝えたい「問題点」だったのです……。
不適性検査スカウター(tracs.jp)の問題を見て感じたこと
不適性検査スカウターの問題点は……。
発達障害や精神障害を振るい落とすような質問内容です。
SPIなど、他の適性検査にも性格診断は確かにありますが、不適性検査スカウターは「質問がかなり露骨」でした。
全部書くとさすがに怒らr……
一部問題を抜粋して紹介しますね。
- 蕁麻疹は出ないか
- 胃腸は弱くないか
- 頭痛になりやすいか
- 壊したくなる衝動はないか
- 独り言は多いか
正直に言おう。
「これはひどいwwwwww」と。
たしかに、仕事でストレスにやられているときに出やすい体調変化ですが、さすがに差別的すぎるのでは……。
半分キレながら、不適性検査スカウターを受けてましたからね。
そして、ぼくが1番懸念しているのは
ことです。
多くの企業が「ダイバーシティや、多様な働き方を大切にしましょう」と多くの企業が言っています。
ダイバーシティ(Diversity)とは、日本語で「多様性」の意味で、人種・性別・宗教・価値観などさまざまに異なる属性を持った人々が、組織や集団において共存している状態を示します。
引用元:NECソリューションイノベータ
当然、精神障害も発達障害もダイバーシティを目指すのであれば、採用しなければなりません。
2024年4月から、障害者雇用の法定雇用率は2.5%ですからね。
しかし、実態は「見えない部分で」振るい落とすという、「同調圧力や陰湿さ」が不適性検査スカウター流行る背景ではないでしょうか。
考えてみてください。
学生時代、発達障害の人を「特別学級」に行かせたり、ちょっと変わった人のことを「ガイジ」と言っていじめたりする光景は、一度は目にしたことあるでしょう。
精神障害も「メンヘラ」と揶揄して「関わるべきでない人物」としていじめの対象になっていたり。
リスクヘッジとして、友人や恋人がメンヘラだったら距離を置いたり……。
大人社会でも、この構図は変わっていません。
ぼくは元々大企業にいましたが、同期が大きい声で「ガイジ」と言ってた時はドン引きしました。
また、大学病院で働く友人から「『ガイジ』と道端で堂々と言う医学部生を見て腹が立った」という相談を受けたこともあります。
「本当の意味でのダイバーシティ」はマリアナ海溝並みに深く、沈むように溶けていくように消えていきます……。
「不適性検査スカウター」はできて数年しか経っていないのに12000社以上に採用されていることから、今後ますます導入する企業が増えると予想されます。
そして、ご覧いただいてわかる通り、不適性検査スカウターを使う企業は高確率で「ブラック企業」と考えていいでしょう(;^ω^)
※一部、企業が営業の売り文句に負けたとの口コミもあるので、100%ブラック企業とは言えないです。
※不適性検査スカウターで検索したら、しばらく広告画面が不適性検査スカウターだらけ……正直やめてほしい←
まとめ:不適性検査スカウター(tracs.jp)の問題は闇深い
本記事では、不適性検査スカウターの特徴や問題傾向、対策、問題点を解説しました。
不適性検査スカウターの能力検査(NR)の対策は、SPIと同じで問題ないでしょう。
しかし、1番問題なのが「3つもある適性検査」で「(社会への)適性」を測るとんでもない試験です。
また、質問が露骨すぎることから、怒りや悲しみ、不安を感じた人もいるでしょう。
実際に、応募した企業から
不適性検査スカウターを受検してください
と言われたら……
この企業に行って大丈夫なのか?ブラックじゃないのか?
と考えてしまいますよね。
そんな時に助けになるのが「就活エージェント」や「転職エージェント」です。
実体験を交えながら紹介しますね。
ぼくも転職活動で「不適性検査スカウター」を受けた後、応募企業の担当であった
担当エージェントも「不適性検査スカウター」の存在を知らず、今後のために内容を教えてほしいとのことなので教えたら、あぜん。
転職エージェントと相談し、最終的には選考を辞退しました。
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(もちろん、「エージェントから紹介された企業に絶対入らないといけない」というわけではないです!)
以下の記事でそれぞれおすすめのエージェントを紹介していますので、気になった方はぜひチェックしてみてください(`・ω・´)
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
ではでは、今日も生きててえらい!