MOS資格(マイクロオフィススペシャリスト)は役に立たないって本当?
こんな疑問を持っている人もいるのではないでしょうか。
結論から言うと、MOSが役に立たないかどうかは、あなたのレベルや目指している姿によって変わってきます。
たしかに、事務職一筋20年という人がMOSの勉強をしても「知ってることばかりで役に立たない」と思うでしょう。
一方で、「パソコンにあまり詳しくないけど、デスクワークに転職したい」という人には役に立つ資格です。
この記事では、そんなMOS資格が役に立たないと言われる理由と試験の内容、おすすめの人について徹底解説します。
MOS資格が役に立たないと言われる理由
MOSの資格が役に立たないと言われる理由は、以下の3つです。
- 試験内容が自分のレベルと合っていない
- 就職や転職・実務で活かせない
- 料金が割に合わない
理由①:試験内容が簡単すぎる
1つ目は「試験内容が簡単すぎる」ことです。
MOSは、Word(ワード)やExcel(エクセル)など「オフィスソフト」の基本操作について問う試験。
そのため、以下のようにな「すでに使いこなしていたりする人」には、役に立たないと感じるでしょう。
- パソコンが好きで、普段からよく触っている
- 仕事で何年もパソコンを使ってきた
- 学校の授業でオフィスソフトの使い方を詳しく学んだ
また、MOSは合格率が高い試験なので、ノー勉で受ける人もいます。
ただし、ノー勉で受かるほど簡単な試験ではありません。
しっかり勉強せずに受験して落ちた人が
MOS資格を取得しても意味がない
と負け惜しみのように言っている可能性も、ゼロではありませんね。
理由②:就職や転職・実務で活かせない
2つ目は「就職や転職で活かせない」ことです。
先ほども紹介したように、MOSはオフィスソフトの基本操作に関する試験。
そのため、以下のような仕事ではあまり活かせないでしょう。
- MOSで求められるレベルのスキルを持っていて当たり前な仕事
- パソコンは使うけど、WordやExcelを使わない仕事(会社独自のソフトなど)
- そもそも、ほとんどパソコンを使わない仕事
特に、エンジニアなどのIT系の職種の新卒採用や、事務職の経験者採用で高度なスキルを求められるときだと役に立たないケースが多いです。
この場合は「日商PC検定」や「ITパスポート」などの試験を検討しましょう。
理由③:料金が割に合わない
3つ目は「料金が割に合わない」ことです。
MOSの受験料は、スタンダードの場合10,780円(税込)。
学割があったり、レベルによってはもっと高かったりしますが、基本料金だけでもかなり割高です。
よく比較される「日商PC検定(3級)」「サーティファイ認定試験」「ITパスポート」の料金を見ると、その差は一目瞭然でしょう。
- 日商PC検定(3級):5,500円(税込)
- サーティファイ認定試験(3級):5,400円(税込)
- ITパスポート:7,500円(税込)
※全て2024年現在
「難易度の低さ」と「料金の高さ」が釣り合っていないことが、「MOS資格は高い割に役に立たない」と思われる原因なのかもしれません。
MOS資格は本当に役に立たない?試験内容を紹介
とはいえ、MOS資格は本当に役に立たないのでしょうか。
その答えは「NO」。
というのも、MOSはマイクロソフト社が認定する「国際資格」で、パソコン系の資格の中でも知名度が高いから。
そんなMOS資格は、以下の5つのソフトにおいて「それぞれどれだけ使いこなせるか」を評価します。
試験はソフトごとに別々に受ける必要があるため、優先順位をつけて勉強しましょう。
- Word(ワード)
- Excel(エクセル)
- PowerPoint(パワーポイント)
- Access(アクセス)
- Outlook(アウトルック)
なかでも、仕事で使うことが多いWordとExcelは、以下の2つのレベルに分かれています。
- 一般レベル:基本的な操作を問う試験
- 上級レベル(エキスパート):生産性を高める、実践的な操作を問う試験
各アプリケーションごとに、試験内容を詳しく見ていきましょう。
①:Word
まずは、使う職種の多い「Word」。
ご存じのように、Wordは文書の作成に主に使われ、書類をつくることはもちろん文章の校閲もできるソフトです。
そんなWordのMOS資格では、以下のようなことが問われます。
レベル | 出題内容 |
---|---|
一般レベル | ・文書の作成と管理 ・文字、段落、セクションの書式設定 ・表やリストの作成 ・参考資料の作成と管理 ・グラフィック要素の挿入と書式設定 |
上級レベル (エキスパート) | ・文書のオプションと設定の管理 ・高度な機能を使用した文書のデザイン ・高度な機能を使用した参考資料の作成 ・ユーザー設定の Word 要素の作成 |
表を見てわかるように、ゼミや研究室で論文を書いたことがある人だと、ほとんどの機能をすでに使いこなせますよね。
そのため、論文でWordを使ったという人は、エキスパートから受験してみてもいいでしょう。
②:Excel
Wordと同じく、多くの職種で使われるのが「Excel」。
意外かもしれませんが、実務ではExcelのほうが使われることも多いです。
(【意外】MOSを就活のために取るならどれがいい?優先したい順番とあわせて解説にて詳しく紹介)
表作成やマクロ計算はもちろん、「資料作成のフォーマットでExcelが使われる」なんてことも。
そんなExcelの試験内容は、以下の通り。
レベル | 出題内容 |
---|---|
一般レベル | ・ワークシートやブックの作成と管理 ・セルやセル範囲のデータの管理 ・テーブルの作成 ・数式や関数を使用した演算の実行 ・グラフやオブジェクトの作成 |
上級レベル (エキスパート) | ・ブックのオプションと設定の管理 ・ユーザー定義のデータ表示形式やレイアウトの適用 ・高度な機能を使用した数式の作成 ・高度な機能を使用したグラフやテーブルの作成 |
一般レベルを持っていれば、基本的な実務を十分こなせます。
しかし、事務職など「マクロ計算を使いこなす必要がある」という仕事に就きたい人は「エキスパート」まで持っておくと、面接官へのアピールになるでしょう。
③:PowerPoint
Word、Excelよりはやや使わないものの、それでも多くの仕事で活躍する「PowerPoint」。
お客様へのプレゼンはもちろんのこと、社内報告でも使われることが多いです。
しかし、MOSのパワーポイントは、「ExcelやWordより役に立たない」と言えます。
なぜなら、出題範囲が以下のように「かなり基本的」なため。
- プレゼンテーションの作成と管理
- テキスト、図、画像の挿入と書式設定
- 表、グラフ、SmartArt、メディアの挿入
- 画像切り替え
- アニメーションの適用
- 複数のプレゼンテーションの管理
すでに知っている機能ばかりですよね。
就職や転職でも「知っていて当たり前」の知識なことが多いので、面接官に好印象を与えることは難しいでしょう。
(もちろん、持っていて損はありませんので、すでに取った人は履歴書に書きましょう)
④:Access
4つ目は「Access」です。
「そもそもAccessって何?」と思う人も多いと思うので、簡単に紹介しますね。
Accessとは、マイクロソフト社が開発や提供しているデータベースソフトのこと。
データの管理や保存に優れたソフトであることから、多くのビジネス現場で利用されています。
よく比較されるのが「Excel」ですが
- Excelより大量のデータ保存が可能
- セルに入力する方法がExcelと異なる
といった違いがあります。
そんなAccessのMOS資格は、以下の内容が問われます。
- データベースの作成と管理
- テーブルの作成
- クエリの作成
- フォームの作成
- レポートの作成
こうして並べると、さほど難しく感じないかもしれません。
しかし、MOSのAccessは「Excelのエキスパートレベル」に相当するほど難しい試験です。
なぜならAccessの試験は「データベースの考え方や仕組みがわかることが求められる」ため。
MOSのAccessは、丸暗記や雰囲気だけだととても太刀打ちできないでしょう。
余談ですが、料金もWordやExcelのエキスパートと同額なので、他の試験より2000円ほど高いです。
⑤:Outlook
5つ目は「Outlook」です。
Outlookは電子メールやスケジュールを管理するソフトで、多くの会社で導入されています。
そんなOutlookの試験内容は以下の通り。
- Outlook環境の管理
- メッセージの管理
- スケジュールの管理
- 連絡先とタスクの管理
正直なことを言いますと……入社して1週間使いこなせば覚えられる内容です。
面接官へのアピールのもなりにくいので、これは「役に立たない」と言ってもいいでしょう。
MOS資格が役に立たない人、役に立つ人
ここまで紹介してきたMOS資格が、役に立たない人とそうでない人はどう違うのでしょうか。
最後に詳しく見ていきましょう。
役に立たない人
最初にも紹介しましたが、以下のような人はMOSが役に立たないでしょう。
- MOSで求められる以上のスキルを求められる人
- パソコンは使うけど、WordやExcelを使わない(会社独自のソフトなど)
- ほとんどパソコンを使わない仕事の人
MOSは、マイクロソフト社が開発したソフトの基本操作を学ぶ試験。
高度なスキルが求められる人や、マイクロソフト社のソフトを使わない人、そもそもパソコンをあまり使わないという人は役に立たないことが多いです。
役に立つ人
一方で、以下のような人はMOS資格が役に立ちます。
自分が当てはまっているかどうか、確認してみましょう。
- パソコン初心者
- 未経験から事務職で働きたい人
- スキルアップしたい人
①:パソコン初心者
まずは「パソコン初心者」です。
パソコンをほとんど触ったことがない人やオフィスソフトを普段使わない人は、MOSの勉強がスキルアップにつながります。
これからの時代、どんな仕事でもパソコンスキルは必要になるでしょう。
「パソコン触れないので、できません」と言うのも嫌ですよね。
MOSの勉強を通じて、パソコン初心者を脱出しましょう。
②:未経験から事務職で働きたい人
次に「未経験で事務職で働きたい人」です。
- 事務職で働きたい就活生
- 未経験からデスクワークに転職したい人
こういった人にはMOSが役に立つと言えるでしょう。
MOSは国際資格なので履歴書に書けますし、「ある程度パソコンが使える」という客観的な証明になります。
実務経験の少ない若者ほど、MOSは役に立ちやすいのでおすすめです。
また、障害者の就職をサポートするサービス「就労移行支援事業所」でも、MOS資格を取る人が多いです。
障害者雇用は6割が事務と言われており、これまでオフィスワークをしたことがない人でもパソコンスキルを鍛えなければいけません。
もちろんパソコンスキルを学ぶプログラムは用意されていますが、MOSを自主的に勉強し、スキルアップを図る利用者もたくさん。
なかには「MOS資格を取ることが、社会復帰への自信につながった!」との声も!
実際、MOSに合格した通所者にインタビューしてきましたので、よかったら参考にしてみてください!
③:スキルアップしたい人
最後に「スキルアップしたい人」です。
ある程度WordやExcelを理解している人でも、意外と知らないスキルはあるもの。
特にWordやExcelのエキスパートは「生産性を上げること」を目的としているため、MOSの内容を学ぶことで仕事の効率を上げるスキルをが身につくでしょう。
また、MOSの中でも1番難しい「Access」を学んでみるのもおすすめです。
仕事が早くなったり、業務の幅が広がったりすることで、昇格やキャリアアップの転職につながるかもしれませんね。
まとめ:MOS資格が役に立たないかは人による
本記事では、MOS資格とは役に立たないと言われる理由や試験内容を紹介しました。
MOS資格が役に立たないと言われる理由は、主に以下の3つでした。
- 試験内容が簡単すぎる
- 就職や転職・実務で活かせない
- 料金が割に合わない
なかでも「試験内容が簡単すぎる」という人が多い印象。
すでにできていることばかりを問う試験だったり、自分の仕事で全く活かせない内容だったりすると、役に立たないと感じてもおかしくはないでしょう。
一方で、
- パソコン初心者
- 未経験から事務職で働きたい人
- スキルアップしたい人
といった人は、MOS資格が役に立つ可能性が高いです。
1つでも当てはまったら、ぜひチャレンジしてみてくださいね!
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最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
ではでは、今日も生きててえらい!