- SAKURAセンターってどんなところか詳しく知りたい
- 体験談があれば見てみたい
このように思う人もいるのではないでしょうか。
それもそのはず。
SAKURAセンターの体験談はWeb上にほとんどありません。
ぼくもSAKURAセンターの評判についての記事を書いたとき、探すのにとても苦労しました。
とはいえ、以前の記事を書いたときに「とても魅力的だ」と感じたSAKURAセンター。
ならば、当事者のぼくが体験しようじゃないか……!
ということで、今回は東京にあるSAKURAセンターのなかでも、発達障害に特化して支援を行う「SAKURA早稲田センター」へ突撃取材しました!
2024年4月より、SAKURA早稲田センターはSAKURA新宿センターと統合するとのことです。
この記事を見て「見学したい」と思った方は、SAKURA新宿センターにお問い合わせください。
SAKURAセンターで体験したプログラム
SAKURAセンターを体験しに、大阪から夜行バスで移動。
30歳になると「さすがにきつい」と感じた迅斗です。
東京メトロ東西線の早稲田駅から10分ほど歩き、SAKURA早稲田センターに到着しました。
到着後、利用者やスタッフが明るい声であいさつしてくださったのがとても印象的でした!
この日は「ミス防止」について
早速、利用者のみなさまと一緒にプログラムを受講。
この日の内容は「ミスを未然に防ぐためのポイント」についてでした。
最初に、テキストを見て感じたこと。
これ……会社員の頃に知りたかった!
ミスは大きく分けて以下の4つで、それぞれ違った対策が必要です。
主なミスの原因 | 説明 |
---|---|
目標の取り違い | 上司や会社が考える目標と、自分が考える目標との違いによるミス |
思い込み | 前に行ったやり方で進めたら、実は間違っていたなど「思い込み」によるミス |
うっかり | 自分でコントロールできない注意によるミス |
確認不足 | 十分な確認ができておらず生じるミス |
それぞれのミスについての内容はもちろん、対策までわかるので、防ぐにはどうしたらいいかを具体的にイメージできます。
テキストの具体例も会社でよくあるものが紹介されており、思わず「あるある!」とうなずきました。
座学でも和気あいあい!参加型のプログラム
先ほどの写真のように、SAKURAセンター
一方で大学の講義のように「ただ聞く」のではなく、利用者が意見を出し合う「参加型のプログラム」となっています。
例えば、何かしらの不具合で仕事が遅れそうになり、焦ってしまった場合は以下のような対策が効果的だと言っていました。
- 深呼吸
- なぜ焦っているのかを紙に書き出す
- 飲み物を飲んで気分を落ち着かせる
SAKURAセンターは意見を出すことに積極的であるのはもちろん、プログラムを通して「正直に伝えること」も大切にしています。
ぼくもそうでしたが、発達障害傾向のある人はなんとか会社になじもうと「擬態」をしがち。
あいまいな指示が苦手だとしても、発達障害だとバレないように「わかっている風」を装ってしまいます。
加えて、パワハラの被害にあいやすく、上司に怒られるのが怖くて聞くのをためらう人もいるでしょう。
しかし、本来わからないことは正直に伝えたほうがいいです。
ミスによる手戻りは減りますし、パワハラする上司でなければ「聞いてくれたほうが助かる!」と感じます。
SAKURAセンターのプログラムを受けると、報連相へのトラウマを克服できそうです!
プログラム以外にも魅力多数!SAKURAセンターを今回体験見学してわかったこと
今回SAKURAセンター
特に魅力的だと感じた以下の5つについて、この章で詳しく紹介します。
- センターの雰囲気がいい
- プログラムは全体と個別の両方を受けられる
- 生活のサポートも受けられる
- 出張の練習もできる
- 再発防止への取り組みと熱い想い
センターの雰囲気がいい
プログラム中はもちろんのこと、それ以外でもセンターの雰囲気がとてもよかったです。
特に驚いたのは「あいさつ」。
ぼくが到着したときはもちろん、利用者が休憩から戻るときも「ただいまもどりました!」「おかえりなさい!」といった言葉が飛び交っています。
その秘訣は、玄関入ってすぐの床に隠されていました。
あいさつが元気なだけでも、一緒に仕事をする人は良い印象を持ちます。
特に社会復帰した直後は、あいさつのある・なしが今後の印象を大きく変えるので本当に重要です。
ぼくは高校でかなり厳しく言われてあいさつする習慣がつきましたが、社会人になってから重宝しました。本当に良かったと思っています。
プログラムは全体と個別の両方を受けられる
SAKURAセンター
個別ブースでは主にパソコンを使ったプログラムを受けられ、WordやExcelの基本操作を学んだり、実務を想定しながらExcelでワークに取り組んだりします。
ぼくが体験した時も1名の利用者が、パソコンを使ったプログラムに励んでいました。
就職活動もセンター内で行い、支援員から適宜サポートを受けられます。
生活についてのサポートがある
SAKURAセンターの特徴ともいえるのが「生活についてのサポート」です。
なかでも、今回の体験取材についてわかったのは「昼休みへのこだわり」でした。
SAKURAセンターでは、昼休みに弁当を提供していません。
なぜなら、社会復帰には欠かせない「食事管理」の練習になるからです。
例えば、毎日のようにカップ麺ばかり持ってきている人がセンターを休みがちな場合、家族や主治医に伝えるときもあるとのこと。
健康が1番の資本だからこそ、気にかけてくださるのは助かります。
加えて、社会復帰した後に、同僚から何気なく「またこのパンか」と言われることもあるでしょう。
ただ、言い方やタイミングなどによっては「自分のこだわりを否定された」とショックを受けるかもしれません。
(ぼくもASDなので、とても共感……)
とはいえ、センター内で昼休みにこのようなことがあれば、社会復帰後の対策を立てやすいです。
そのように言われたときの心がまえができるのはもちろん、仕事に支障が出そうな人は「昼休みはひとりで食べたい」という配慮もできますからね。
「オフィスワーク週間」を通して就労や出張の練習も
SAKURAセンター
2週間、終日事務作業のみを行うプログラムのこと。
研修で教わったビジネスマナーやコミュニケーションを実践したり、体調や特性などの自己理解を深めたりできる。
また、仕事はもちろん休憩も自分のタイミングで取得するなどの自己管理が求められ、社会復帰に向けた実践的な練習になりますね。
加えて、オフィスワーク週間に限り、他の事業所で事務作業を行うこともできます。
ぼくが取材に行ったときも、他のセンターから早稲田センターへ数人来ており「センターによって雰囲気が全然違う」と言っていました。
こうした違う雰囲気のなかで研修を受けられるのも、SAKURAセンター
今までいくつの事業所を取材しましたが、こうした取り組みは初めてです。面白い!
社会復帰や再発防止に向けた取り組み
何よりSAKURAセンターを取材して感じたのは、「社会復帰や再発防止に向けた取り組み」でした。
発達障害の人が社会復帰するときに悩みやすいのが、数ヶ月後に再びうつ病や適応障害になる「再発」。
せっかく社会復帰に成功したのに、再び体調を崩すと自信はゼロどころかマイナスになりますよね。
ぼくも再発はいまだに怖いです……
一方、SAKURAセンター
- 職場実習を通じて、心理的安全性がある職場かを確かめる
- ハローワークの求人でも、職場実習ができるかを相談
- 一般雇用で働きたい人は、メリットとデメリットの両方をしっかり伝える
特に「職場実習での社風の確認は欠かさないようにしている」とのこと。
障害者雇用で社会復帰した人でも、「人事や総務担当の理解」と「上司や同僚の無理解」のギャップに苦しむこともあります。
ぼくも以前の会社で、下のポストのようなことがありました。
長い長いハードルを乗り越えて社会復帰したのに、このような仕打ちを受けると本当につらいものです。
とはいえ、職場見学をすることで雰囲気がある程度わかり、「配属されてから上司や同僚の無理解に苦しむ」というリスクを減らすことができます。
職場定着率85.7%というのも、こうした取り組みの結果ではないでしょうか。
「2年間カリキュラムを受けるだけで終わらせたくない」という熱い想いもいただきました!
SAKURAセンターを体験しに行ってよかったと心から思う
今回、SAKURAセンター
プログラムはもちろん、社会復帰のためにさまざまな取り組みや工夫をされていて、「Web上だけではわからない魅力がたくさんある」と今回の取材でわかりました。
加えて、すごく温かな雰囲気で和気あいあいとしていて、むしろぼくがエネルギーをもらった気がします。
また、最後に質疑応答の時間も設けてくださり、「利用者が楽しんでいる雰囲気が伝わってよかった」という言葉もいただきました。
そんなSAKURAセンターですが、以下の全ての事業所を無料で見学できます(予約は必須)。
都道府県名 | センター名 |
---|---|
東京 | 新宿・杉並・池袋・蒲田 ※早稲田センターは2024年4月より新宿に統合 |
埼玉 | わらび(川口) |
群馬 | 前橋 |
長野 | 松本・松本中央・岡谷 長野・長野南 |
新潟 | 新潟・新潟NEXT |
富山 | 富山 |
山梨 | 山梨 |
福岡 | 福岡天神 |
少しでも気になった方は、この機会に最寄りのセンターを訪ねてみてはいかがでしょうか?
最後になりましたが、遠方からの取材にもかかわらず引き受けてくださったSAKURAセンターのみなさまに感謝いたします。
改めて今回はありがとうございました!
ではでは、今日も生きててえらい!